ラ・プティット・バンド La Petite Bande (古楽アンサンブル)

La Petite Bande

1972年、S.クイケンとG.レオンハルトにより結成されたバロック・オーケストラ。 その名称と構成は、 ルイ14世の宮廷におけるリュリのオーケストラにちなんでいる。レコード会社のドイツ・ハルモニア・ムンディが録音する、グスタフ・レオンハルト指揮のリュリの「町人貴族」のために、会社の提案で組織される。アンサンブルの名称とメンバーの数は、ルイ14世の宮廷でのリュリ自身のオーケストラを規範としている。楽団の目的は、古楽器(作曲家当時のオリジナル楽器またはそのコピー)や正統的(オーセンティック)な演奏習慣、オリジナルな演奏技法を用いて、音楽を正統的な形で復活すること、歴史的に忠実な響きと、形式的ではない音楽を実現することにある。録音が大成功だったためにオーケストラは定期的にコンサートや音楽祭に招かれるようになり、結局、恒常的な団体として活動することになる。結成以来、レオンハルトとS.クイケンが指揮を分け合ってきたが、S.クイケンが常任指揮者を務めている。今日ではそのレパートリーも、もはや当初のフランス・バロック音楽に留まらず、コレッリやヴィヴァルディなどのイタリア・バロック、バッハやヘンデルのドイツ盛期バロック、さらにハイドンやモーツァルトといったウィーン古典派にまでおよび、国際的にその演奏は高い評価を得ている。
1993年に初来日、ハイドンの天地創造で日本のファンにその実力を披露、以後定期的に来日し、歴史を誇るバロック・オーケストラのパイオニアとして高い水準の演奏で毎回聴衆を魅了している。ヨーロッパ各地の主要な音楽祭、コンサートホールにも常に登場しており、その自然で美しい演奏は現在増えてきているオリジナル楽器のオーケストラの最高峰と称されている。