古楽セミナー(アンサンブル)

古楽器と声楽のアンサンブルを楽しく学びましょう。
短時間の集合レッスンで音楽を創り、その成果を「古楽ステージ」にて発表します。

2024年 Aコース成果発表
講師岩田耕作
日程[Aコース] 2025年10月17日(金) 16:30〜18:00、18日(土) 10:15~13:15
[Bコース] 2025年10月18日(土) 16:30〜18:30、19日(日) 9:30~12:45
※発表演奏の時間を含む
成果発表[Aコース] 2025年10月18日(土) 古楽ステージ
[Bコース] 2025年10月19日(日) 古楽講座(リコーダー編)終了後
会場アクロス福岡内
受講料一般3,000円、学生1,500円
※2コースとも受講の場合:5,000円(学生2,500円)
※楽譜郵送希望の方は別途郵送料500円をいただきます
課題曲[Aコース: フランス編] ジャン=バティスト・リュリ 「プシシェ」 より (A=415hz)
[Bコース: イタリア編] マルコ・ダ・ガリアーノ 「ダフネ」 より (A=440hzまたは415hz)
♪このページ下方に曲目解説を掲載しています。
募集パート声楽:全声部
器楽:全ての古楽器 (Bコースのピッチは各受講生がお持ちの楽器に応じて決定します)
募集人数各30名
聴講10月17日、18日に限り可(有料・要事前申し込み)
※聴講の受付開始は9月を予定しています
※古楽ステージでの発表演奏はどなたでもお聴きになれます(申込不要・入場無料)

ご注意とお願い

○管楽器は、原則古楽器を、弦楽器は、ガット弦あるいはそれに近い響きの弦を使用してください。弓はバロック弓を使用してください。
○複数の楽器でのエントリーも可能です。

管楽器はA=415Hzのピッチで演奏できる古楽器タイプのもの、弦楽器はガット弦やバロック弓を使用したものでのご参加をお願いします。
通常のヴァイオリンやチェロをお持ちで、今回ガット弦を張っての演奏に初めてチャレンジされたい方も、弦や弓の購入や使用についてのアドバイスをしていますので、お気軽にお問合せ (※)ください。
※新・福岡古楽音楽祭実行委員会にメールにてご連絡ください。講師へお繋ぎいたします。

受付期間:2025年7月12日(土)10:00 ~ 7月31日(木)15:00


≫チラシ(PDF:729KB)はこちら


*曲目について*

☆イタリアとフランスのオペラ
バロック時代とはオペラが誕生した1600年からバッハが逝去した1750年までの150年間を指します。オペラとは劇のセリフに音楽を付けたもの(歌劇)であり、台本の言語の違いによってそこに生まれる音楽も違ってきます。バロック時代がイタリア、フランス、ドイツといった国ごとに特色のある音楽をはぐくんでいったのは、オペラの誕生と無関係ではありません。
今回のセミナーではイタリアとフランスのオペラを取り上げて、実際に言葉がそれぞれの国の様式の違いに影響しているかを見ていきます。

【Aコース】 フランス編
ジャン=バティスト・リュリ 「プシシェ」 より / Jean-Baptiste Lully : Psyche (excerpts) (1687)
フランス語によるオペラの誕生はイタリアよりも半世紀以上も遅れてのことです。
1660年、フランス王ルイ14世の結婚の祝祭に訪れたイタリアの作曲家ピエトロ・フランチェスコ・カヴァッリによって上演されたオペラは、フランスの音楽界に大きな衝撃を与えました。フランス語による最初のオペラ、ロベール・カンベール作曲の「ポモーヌ」が上演されたのは1671年、王付きの作曲家であったリュリもこのころからオペラの作曲を手掛けるようになります。フランスのオペラには欠かせないフランス風序曲や、ブレ、ガヴォット、ジーグ、パスピエ、メヌエット、サラバンド、シャコンヌなどのフランス風舞曲の構築にもリュリは多大な影響を与えました。

【Bコース】 イタリア編
マルコ・ダ・ガリアーノ 「ダフネ」 より / Marco da Gagliano: La Dafne (excerpts) (1608)
オペラは16世紀後半、フィレンツェの知識人たちが集まって古代ギリシャの音楽を復興させようとしたカメラータの活動の中から生まれてきたものですが、1598年ヤコボ・ペーリによって書かれた最古のオペラは今回取り上げるガリアーノと同じ台本です。ペーリのダフネの楽譜は失われてしまいましたが、10年後に書かれたこの作品をペーリ自身「テキストを音楽にするガリアーノの方法は、他のどの方法よりも実際の会話に近く、それゆえ、古代ギリシャ音楽の側面を再現しようとした、数十年前のフィレンツェのカメラータの目的を達成した」と称しているように、このガリアーノのダフネを持ってイタリアのオペラはついに芸術作品として完成したと言えます。

文責:岩田耕作